DSR1マガジンへの初速微調整機構の追加 | Workshop Diary

DSR1マガジンへの初速微調整機構の追加

2017年11月17日

dsr1.JPGS&Tから新発売された事で人気再燃のDSR1ですが、残念ながらノーマル時の初速の低さはARES時代と変わりません…。個体差もありますが大抵は45m/s~55m/sあたりが最も多いですね。当店ではARES時代から数多くのDSR1のカスタム作業を行ってきました。
ARES製 DSR-1 カスタム作業
AMP-DSR-1 カスタム作業
非常に細かな個所も多いですし、ケースバイケースな時もあるので、大々的にアピールはしておりませんが、性能向上の為の作業内容の改良や追加加工は随時、行っています。最近の大きな変更点はマガジンへの「初速微調整機構の追加」です。ご存知の通り、DSR1は標準で2本のマガジンが付属しています。過去の工房ダイアリーでも軽く触れていますが困った事に2本のマガジンそれぞれで初速が変化します。初速が揃わない原因も「組まれている放出バルブの寸法がそれぞれ違う」という国内製品では考えられないパターンもありますし、「初速を落とす為のデチューン寸法(ガスルートの内径)が異なる」や「放出バルブの締め込み量の違い※インパクト部分の突き出し量が変わる為」といった微妙な差が原因の時もあります。当店でカスタム作業を行う際は、これらの違いを考慮して2本のマガジンで大幅に初速が変わらない様に仕上げます。リキッドチャージ式ガスガンのマガジンは、ほんのチョットの違いで初速が変わってきますので実はDSR1のカスタム作業で最も大変なのがこの「2本のマガジン性能を揃える」という作業です。この作業を行っていると「もう少しだけコッチのマガジンの初速を上げたい」や「ソッチのマガジンの初速を下げたい」という時があります。この様な「2本のマガジン性能を揃える為、少しだけ初速を微調整したい」という時に役立つのが初速の微調整機構です。カンの鋭い方であればノーマルでは設けられていないマガジン前面の穴で、ピンッと来てる方もいらっしゃいますよね(笑)


dsr2.JPG調整は至って簡単で、アウターケース前面の穴から2.5mmの六角レンチを差し込んで回転させるだけです。右回転させるとガス流量が絞られるので初速が下がります。左回転させるとガス流量が増えるので初速が上がります。あくまでも微調整用なので大幅な調整幅は持たせてありませんが、このほんのチョットの微調整が最後の最後で効いてきます。この加工は本来、当店が作業時に行う微調整用ですが、特性を理解して頂ければお客様にとっても非常に便利な機構と思います。例えば「今度行くフィールドのレギュレーションが85m/s以下と低めなので少し下げておきたい」や「冬場で外気温が低く初速が下がってしまうので、少し上げたい」という場合に有効です。ここ最近、当店で作業させて頂いたDSR1(ARES製、S&T製)には全てこの調整機構は施工済みですが、過去に作業させて頂いた物ですと、行われていない個体もあるかと思います。この場合はマガジンのみ当店へお送り頂ければ¥1.840(マガジン1本の価格)にてアップグレード可能です。ご希望される際はマガジンのみ、当店へお送り下さい。尚、この調整機構は初速向上のカスタム作業を一通り行ったマガジンに対してのみ有効です。ノーマルマガジンはそもそも、初速が出ない様に根本的な部分でデチューンされている為、今回の調整機構を活用しても大幅に初速が向上する事はありません。55m/sが60m/s位に上がる事はあるかも知れませんが90m/sに上がる事はありません。その為、アップグレード作業は過去に当店で作業させて頂いたお客様のみ対象となります。

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