KA製L1A1 カスタム&手直し作業 | Workshop Diary

KA製L1A1 カスタム&手直し作業

2008年11月14日
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本日の作業はキングアームズ製L1A1のカスタム&手直し作業です。お持込頂いた状態だと初速は約80m/s程度は出ていますが、トリガーレスポンスが鈍く、どこかでロスしている感じがあります。作業内容としてはSUPER-1Jカスタムを基本に、手直しが必要な箇所の修正、という流れになります。

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まずはメカBOXを取り出す為、レシーバーを分解したところ、ブローバックボルト(※この機種はブローバック機構付)周辺やレシーバー内側に大量の高粘度グリスが塗られてありました。粘度的にはマルイ純正のギアグリス程の高粘度です。激しく前後動するので気持ちは理解できますが、ここまで大量に高粘度グリスを塗ってしまうと、むしろ抵抗になってしまいます。実際に手で動かしてみたところかなり重い抵抗感がありました。特に今回の機種はピストンに連動させてボルトを動かしますのでここでの抵抗はトリガーレスポンス等の作動感に及ぼす影響は大です。まずは全て拭き取り、その後にもう少し低粘度のグリスを必要な箇所のみ塗布しました。電動ガンに限らず機械モノ全般に言える事ですが、グリスアップは「必要な部分に必要なだけ」がポイントです。必要以上にグリスアップしても結局は周辺に飛び散るだけですし、砂等の異物が付着しやすくなります。幸い今回は砂等はありませんでしたが、発砲スチロールはしっかりと付着していました(笑)

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メカBOXはパッと見たところVer3の様ですが、ブローバック用の切り欠きがあったり、モーターホルダーも専用形状です。

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メカBOX内部です。内部パーツに関しては八割方、交換しますがその場合も当店では組み込まれていたパーツは全て洗浄して点検します。この段階でトラブルの兆候があった場合、その原因を解決しなければいくら高価なカスタムパーツを組み込んでも意味がないからです。

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ピストンはブローバック用の切り欠き&補強の肉盛りのある専用形状です。洗浄後、点検したところ、タイミングズレによる磨耗も無いようですので一安心です。もし、メインスプリングが最近お馴染みの「ブツ切り」された短いモノが入っていたら恐らくピストンは破損していたと思います。その場合、専用ピストンですので入手が困難な為、やっかいな事になっていたでしょう。

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SUPER-1Jカスタムにはハイレスポンスコードの交換も含まれています。ラインナップに無い機種でもワンオフで製作します。

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通電ロスを無くす為、中間コネクター等は無くし可能な限り1本物で製作します。海外製品の場合、往々にしてコードの品質が低いのでハイレスポンスコードへの換装はメチャクチャ効きます。具体的にはマルイ製電動ガンの場合、ハイレスポンスコードのみを組み込んだだけで秒間で約2発向上しますが、海外製電動ガンの場合、3~4発向上する場合もしばしばあります。

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今回組み込むカスタムパーツです。

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駆動効率の要である軸受けは7mmラージサイズベアリングが組み込まれてありましたのでそのまま使います。ベアリング軸受けの場合、必ずオイルを注油します。ほんのチョットのひと手間でより一層滑らかに回転します。当店で使用しているオイルはRC用のベアリングオイルです。コレは樹脂を侵さないのでオススメです。実車用エンジンオイル等の場合、ABS樹脂(エアガン製品には多く使われています)等を侵してしまう為、要注意です。

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完成したメカBOXです。

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今回のL1A1ですが、どうやらチャンバー部で故意的にエアーを抜いて初速を下げているようです。チャンバー周辺からエアーを抜く、という点ではマルイ製PSG-1に似ていますね(PSG-1の場合、インナーバレル上面から抜いている)

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このようにノズル上面がぽっかりと空きますのでかなりのエアーを故意的に抜いています。おそらく日本向けに後加工をしたんだと思います。よくあるメインスプリングの「ブツ切り」よりかは誠意ある対応だと思いますが、組み手側からするとやっぱり「わざとエアーを漏らしている」っていうのはう~ん…という感じです。

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全ての組み立てが完了し、実射テストをしているとアッパーレシーバーとロアーレシーバーの結合が「パコッ」と外れてしまいます。ストック固定用ボルトがアッパーレシーバーとロアーレシーバーを結合させる「ロッキングブロック」を押す事で結合させる設計のようですが、どう考えてもストック固定用ボルトの長さが足りません(泣)最後まで締めこんでもロッキングブロックは全く固定されずにブラブラしています。これでは外れて当然です。

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という事でロングボルトに交換しました。それにしても全然長さが足りてないですね(笑)実射性能的にもアッパーレシーバーとロアーレシーバーの結合がしっかりしたため、初速が大幅に安定しました。理由としてはアッパーレシーバーにはチャンバーが、ロアーレシーバーにはメカBOXが組み込まれていますのでお互いの結合が弱く動いてしまうと、チャンバーとメカBOXの位置関係も毎回動いてしまいます。完成後の初速は94m/sまで向上しましたがそれよりもトリガーレスポンス等の作動感が非常に軽快になりました。

KEN

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