マルイ製電動UZI復活プロジェクト | Workshop Diary

マルイ製電動UZI復活プロジェクト

2015年08月06日

1.JPG・現在は廃盤でメーカー修理も不可能な「マルイ製電動UZI」ですが、ファンも多く未だに所有しているお客様も多数いらっしゃいます。
残念ながら修理に必要な純正パーツも既に絶版ですので、壊れてしまうと直せない…、という悲しい現実があります(泣)
個人的には非常に多くの可能性を秘めているメカBOX(Ver5)と思いましたが
・樹脂製メカBOXケースによる耐久性の問題
・エアー効率の悪さ
・ピストンリリースタイミングの関係でメインスプリングのレートアップが困難
・8.4Vミニバッテリーしか使えない。(8.4VラージバッテリーもNG)
といったところが1代限りで終わってしまった理由なのでしょうか?
当時は「このメカBOXがあれば、今後は色々な機種がラインナップされる!」と喜んでいたのですが…。
そこで今回はお客様からのご依頼で「コンパクト電動ガン用」のマイクロメカBOXを移植して不動のUZIを復活させる事にしました。

2.JPG・他機種用のメカBOXを移植する、という作業は一筋縄で行かないのは最初から分かっていましたのでお客様へは「お時間だけは長めに頂きます」とお伝え致しました。結果は予想通りで紆余曲折・試行錯誤・七転び八起き・すったもんだ、と色々ありまして(笑)、構想半年&製作期間4ヶ月の合計10ヶ月程掛かってしまいました。今回の様な特殊作業は色々な部分の検証、確認が必要な為、つきっきりで作業する訳には行かず通常業務の合間に少しずつ作業する事になりますので、どうしてもお時間は掛かってしまいますね。
当初、コンパクト電動SMG用メカBOXを想定していましたが、実際に形状を確認してみると干渉箇所の問題が解決出来なかった為、コンパクト電動ハンドガン用メカBOXに計画変更しました。
他機種用メカBOXを移植する上で最大の壁は、やはりチャンバー部を含めた給弾関係です。チャンバー位置、ノズル位置、ノズル長、インナーバレルの種類(※通常電動ガン用とコンパクト電動ガン用とでは形状が違う為)、チャンバーパッキンの種類、等を決める必要があります。加えてマガジンは出来る限り「UZI用純正マガジン」を無加工で使いたいので、このあたりも考慮しなければなりません。
色々と検証した結果、大きな問題点は
・純正マガジンを無加工で使える様にする為にチャンバー、ノズル、インナーバレル、チャンバーパッキン等は通常電動ガン規格にしておく必要がある事。
しかしながらメカBOX側は規格が違う為、使えるパーツが無い事。
・インナーバレルとメカBOXの中心軸が合わない事。
・仮に上記の問題点が解決したとしても、セミオートのカットオフ機構、セーフティー/セミ/フル切り替え機構が無い事。
が挙げられます。
あ~でもない、こ~でもないと色々と格闘した末、最終的には
・シリンダーヘッド、ノズル、ノズルカム、ノズルカムプレートをスチール削り出しで新規製作。これらのパーツによりチャンバー自体は純正品(UZI用)を少し加工するだけで使用可能になるのでマガジンの問題も解決。

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・中心軸のズレはUZI本体内部のインナーシャーシを大幅切削&メカBOXを反転させる事で解決。

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・カットオフ機構&セーフティー/セミ/フル切り替え機構はタクトスイッチ方式へ変更する事で解決。

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・移植作業にあたっては、まだまだ積もるお話は沢山ありますがキリが無いので、このへんにしておきます(笑)
これらの作業で、よ~~~やくメカBOX移植が完了したので、ここから通常の内部カスタム(コンパクト電動ガン用スペックRカスタム)&20mmレール増設加工(サイド、アンダー、トップx2)を行い作業完了となりました。

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・いつもの事ですが寸法精度には拘ってパーツ製作を行いましたし、スペックR化の恩恵もあり電動ハンドガン用メカBOXですが初速は90m/s前後、サイクルは17発(7.4VのLIPOバッテリー使用時)というなかなかのレベルで仕上がりました。日頃から感じている事ですがマイクロメカBOXのポテンシャル(特にエアー効率)は相当高いですね。このサイズで90m/s前後出るというのは末恐ろしいメカBOXです(笑)
Ver5メカBOXが消えた一番の理由は、このメカBOXの存在かも、と感じた今回の移植作業でした。

KEN

Be-MAX japan