F2000 電動ガン手直し&カスタム | Workshop Diary

F2000 電動ガン手直し&カスタム

2008年04月18日
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前回、海外製品の手直し作業を掲載したところ大変多くの反響があり同様の作業依頼を頂いております、ありがとうございます。ということで本日はF2000の手直し&カスタム作業です。とりあえず作動確認の為、バッテリーを繋いで動かしてみたところ「ギュワン、パン!」というかなり負荷の大きそうなデンジャラスサウンドを奏でましたので早急に作動確認は終わりにして分解作業に入りました。経験上、この感じはギアの回転が重く(シム調整不良、もしくは軸受け不良)無理やり動かしている時の感触です、このまま動かしていると大抵はスイッチが溶解するかモーターコミュテーター部が熱で変色して通電不良になります。

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まずはメカBOXを分解し、各部の状況を大まかに観察していきます。今回の様に特殊な機種(メカBOX含む)の場合、いきなり「全てのパーツを外して洗浄」ではなく、まずはそのままの状態を良~く観察し「初期状態」というのも記憶します。この観察は意外と大事な作業で後々のトラブルシューティングの際に非常に役立つ事が多いです。内部パーツには「洗浄しないと分からない事」と「洗浄したら分からなくなる事」があります。ギア歯面等パーツ形状の磨耗具合は前者になりますし、油脂類の種類やシムの枚数等は後者になります。メカBOXを分解しての第一印象はとにかくグリスが凄い!という点でした。マルイ製電動ガンもメーカー出荷時では多めにグリスアップしてありますがアレの比ではありませんね。あまりの凄さに写真撮影忘れてしまいました、スミマセン。※写真は洗浄後のメカBOXです。

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それ以外で気になった点は定番のスプリングのブツ切りとシム調整はほとんど無し、といったところです。シム調整に関してはどうやら最初から組み込まれているギア&メタル軸受け、お互いの総厚が厚めの為、ほとんどシムの入る隙間が無い事が理由のようです。恐らく当初の重ったるい作動感&ギアノイズはシム調整が行われていない(というよりもギア、軸受けお互いの寸法上の理由で出来ない)事による回転の重さが原因かと思います。あとは異常な程の高粘度グリスの大量使用も関係しているかも知れません。スプリングに関しては前回同様で完全に長さが足りません(笑)

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純正スプリングとの比較です。さすがにここまで短くカットしてあるスプリングは初めて見ました。最近、この反則技が非常に多いです。てっとり早く初速を下げたくて行うのでしょうがここまで短いのはどうかと…。シワ寄せは必ずどこかに来ますよ~。

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という事でシワ寄せはピストンに来ました。この辺の前後関係のお話は前回お話しましたので省略します。

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モーター交換をしようしたところ通常のショートタイプよりも更にシャフトが短い専用モーターだったのでショートタイプのシャフトを削り長さを合わせます。

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モーター配線の被覆が一部破れています、海外製の場合はモーター&配線は無条件で交換してしまった方が安心です。この配線も一見すると太くて通電性は良さそうですが抵抗値をテスターで計ると非常に高い値を示しました。ちなみに当店のハイレスポンスコード用のテフロンコードは太さは純正品と同様ですが抵抗値が非常に低い高級品です(笑)

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今回組み込むパーツです、写真には写っていませんがギア3点もVer2用が使用出来た為、交換しました。ギアを交換した事でシム調整も可能になりますのでかなり回転は軽くなります。

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全てのパーツを組込、実射テストをして作業完了!だったんですがピニオン&ベベルギア間のギアノイズが気になります。通常のメカBOXであればモーター位置を上げ下げする事でピニオン&ベベルギア間のバックラッシュ調整が可能なんですが今回のメカBOXにはその機構がありません(泣)ど~したものかと考えた結果、モーターシャフトに圧入してあるピニオンギア自体を動かして調整しました。全て組んでみないと音の確認は出来ませんし、ピニオンの位置調整もモーターを外さないと出来ませんので結構大変でしたが、バックラッシュを緩くする方向で(ピニオンギアを下げる)良好な結果になりましたので作業完了となりました。

KEN

Be-MAX japan