CA製SR-25URXカスタム作業 | Workshop Diary

CA製SR-25URXカスタム作業

2008年08月29日
c0.JPG

本日の作業はクラシックアーミー製SR-25URXのカスタム作業です。お客様より「完成品として購入したが不安なので点検も兼ねてカスタムしたい」という事でお預かりとなりました。お持込頂いた状態で作動チェックをしたところ、初速は約80m/s前後とそれ程低くはありませんが、正直このサイズのスナイパーライフルであればもう少し上げたいところですね。それ以外では若干大きいギアノイズが気になりましたが、初速・ギアノイズ共に当店の作業で改善出来るので、今回は比較的スムーズに行くかな、なんて淡い期待を抱いておりました。

c1.JPG

メカBOXを取り出すと、微妙にロングサイズのメカBOXが出てきました。すっかり忘れていましたがこの機種はPSG-1規格(ロングストローク)のパーツを使っている事を思い出しました(泣)この時点でついさっきまで抱いていた淡い期待は崩れ去ります。理由は後程…。

c2.JPG

まずはメカBOXを開けて各部の点検です。ロングサイズのメカBOXを見た時点である程度は予想していましたが案の定、ピストンは…

c3.JPG

この状態です。PSG-1のピストンはロングストロークなので通常の電動ガン用ピストンに比べて歯の枚数は3枚多くなっています。(通常;16枚、PSG-1;19枚)この3枚多いピストンを使ってフルオートで駆動させた場合、ほぼ100%の確率でこの様な状態になってしまいます。東京マルイのPSG-1はセミオートのみですのでこの症状はでませんが、今回のSR-25はしっかりと(笑)セレクターがフルオートポジションまで回転して撃てる様になっています。この症状に関してはバッテリーの電圧が低ければ(7.2Vとか)発生しませんが、9.6V等を使うとアっという間にこうなります。当店で行ったテストでは8.4Vミニバッテリーでも症状を確認しています。(但しニッカド600mAミニの場合はギリで大丈夫でしたが)ここで更に困った点は、本体付属のストックは二又のセパレートバッテリーを収納するタイプのスライドストックです。しかしセパレートバッテリーの場合、一般的に販売されているモノはほとんどが9.6Vで7.2Vのセパレートバッテリーというのは見た事がありませんし、まず電動ガンには使わない電圧ですよね。それではと思い同封してあるメーカーの説明書を見てみると、普通に9.6Vのセパレートバッテリーを入れてる写真が載ってますね…。う~ん、どうやらあまり深く考えていないみたいです(笑)とりあえずハッキリとしている事はこの機種に関しては、説明書に従って使っても壊れます、という事です。

c6.JPG

通常のVer2メカBOXとの比較です。シリンダー部分が長いのが一目瞭然です。

c4.JPG

内部パーツの比較です。今回の作業でもう一つ気になる点に、初速の低さがあります。分解前はロングストロークという事を忘れていましたので80m/s程度でも、海外製品の初期状態としてはまあまあかな、と考えていましたがロングストロークであれば話は別です。通常よりもシリンダー容積が多いロングスロローク型の場合、この初速は低すぎます。メインスプリングがカットしてあったりするのであれば納得出来ますが、今回組み込まれているスプリングは乱暴なブツ切りもされておらず充分な長さも線径もあります。という事はチャンバー周辺からのエアー漏れの可能性が高いです。

c8.JPG

とりあえず、9.6Vセパレートバッテリー&フルオート使用でもピストンを破損させなくする為、有効ストロークを短くします。東京マルイ純正のPSG-1ピストンも流用出来ますが、ショートストロークにした場合、最も負担が掛かる歯が樹脂になってしまいます(純正ピストンは一番前の歯のみ金属)。これでは耐久性に難がありますので今回はジュラルミン削り出しのPSG-1用ピストンを使いました。「お~なんてナイスなアイテムがあるんだ!」って思ったのも束の間、さすがはマイナーなカスタムパーツだけあり、ピストンのみをメカBOXに組み込んだところ、ビクともしません。どうやら、メカBOXと噛み合うレール部分の寸法がかなりキツい為、動かないようです。という事で加工屋さんにお願いし、フライス加工で寸法を修正しました。総金属の為、ショートストローク用に歯の枚数を少なくしても耐久性は変わりませんのでこのパーツはオススメです(ご要望が多ければ加工済みで販売するかも知れません)

c7.JPG

ピストン以外での交換パーツとしては、相変わらず異常に太い配線を当店のハイレスポンスコードチューンKITへ交換、軸受け、スプリング、ピストンヘッド、シリンダーヘッド等を交換します。

c9.JPG

組込後、説明書通り(笑)の9.6Vセパレートバッテリーで作動チェックをしたところ、ピストン破損の症状も発生せずに快調にドライブ出来ました。若干気になっていたギアノイズも配線交換&ギアクリアランスの再調整で収まりました。初速に関してはどうやらシリンダーヘッドからのエアー漏れだったようで交換したところ正常な値(約95m/s)になりましたので、作業完了となりました。

KEN

Be-MAX japan