ZETA-LAB製モシンナガン カスタム作業 | Workshop Diary

ZETA-LAB製モシンナガン カスタム作業

2018年10月14日

1b.jpgお客様からのご依頼でZETA-LAB製モシンナガン(ガスボルト)の「着脱式マガジンへの構造変更」、「グリーンガス(CO2)方式への変更」、「ストック内にグリーンガスレギュレーターを内蔵」、「木製ストックのニスを剥離した後、オイル仕上げ」、「命中率向上、初速の安定化」という作業を行いました。本体をお持ちの方や構造をご存知の方であれば、この内容を聞いただけでお腹イッパイになりますね(笑)

2.JPGまずは非常に評判が悪いヒモを引っ張る方式のマガジン構造を一新します。当店で作るからにはしっかりした物を作りたいので、マガジン着脱の操作性やマガジンの確実な位置決めの為、色々なパーツを新設してあります。拘ったのは「マガジン自体がカチッとロックされる事」、「フタに頼らずにマガジン位置がしっかりと定位置で固定される事」、「マガジンキャッチを操作した際にストンと抜ける事」の3点です。最近は外人さんが作った3Dプリンター製作の着脱式マガジンKITも販売されていますが現物を拝見させて頂いた限り、一般の方があのKITを使って問題無く使える様にするのはかなり難しいと思います。そもそもマガジンスプリングやBB弾を押し上げるフォロアー等の重要パーツはKITに含まれておらず「そこらへんは自分で何とかしてね」的な内容ですし、マガジン自体の固定機能も無くフタに頼った構造なので、相当色々な部分に手を加えないとマトモに給弾しないだろうなー、と…。

3.JPG閑話休題。着脱式マガジンはアクリル板からの削り出しで製作した豪華仕様です。強度抜群なので落としても踏んでも投げても(?)、壊れる事はまずありません。
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5.JPGゼロからの設計なので当然ですが各部の寸法は自由に決められます。マガジンスプリングは入手が容易な一般的な寸法が使えるようにしてあります。フォロアー(緑色の物体)は懐かしの「MGC製スーパーグレッツBB弾」を加工してフォロアーとして生まれ変わってもらいました。30年の時を経て、モシンナガン用のマガジンフォロアーとして復活です!BB弾と言えど捨てないで取っておくと良い事あるんですね~。(そういえばワタクシのキャリコM1000はどこに行ったんだろうか…)

6.JPG装弾数を増やす為、ダブルカアラム(複列式)仕様で製作しました。

7.JPGAKの様にマガジン前方部分を引っ掛けてから本体内にセットすると、マガジンキャッチを新設してあるのでカチッとロックされます。
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10.JPGマガジンエジェクト用のスプリング(トリガーリターンスプリングと兼用)も追加してあるのでマガジンキャッチを解除するとスプリングテンションでストンとマガジンが排出されます。せっかく着脱式マガジンを製作するので、このあたりの操作性にはかなり拘りました。

11.JPGグリーンガスレギュレーターをストック内に内蔵する為、木製ストックを加工します。さすがに通常サイズのレギュレーターは寸法的に不可能なのでミニボンベ用のレギュレーターを使います。この加工はオイル仕上げ前に行ったのでストックの色がまだ赤い(ニス)ですね。
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13.JPGいきなり完成状態です!オイル仕上げも終わってます(笑)ガスシリンダー下面にホース取付口を新設し、ストック後端までホースを通します。コッキングの際のシリンダーストロークを考慮してスパイラルホースを一部に使い伸縮可能にしてあります。
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15.JPGストック内にレギュレーターを内蔵させる為、「レギュレーターの外径切削」、「ホースの角度を変更するエルボーの新規製作※ローハイト仕様」も行いました。尚、ボンベ交換の為にレギュレーターを引き出す際には一旦、ホースをレギュレーターから外す必要があります。しかし内蔵状態だとワンタッチカプラー(エアーストップ付)が押せません。そこで内蔵状態であってもワンタッチカプラーが押せる様に金属製ボタンを製作して溶接しました。単なるレギュレーターが、どんどんメカメカしくなってきました。ガスガン好きなこういう見た目に弱いです(笑)
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17.JPG長い道のりでしたが、これでよ~やくレギュレーターが内蔵出来ます。パラコードはボンベ交換の際に引っ張り出しやすいかな、という事で付けてみました。
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20.JPG今回のレギュレーターは圧力可変式なので、内蔵状態でも六角レンチで微調整出来る様に加工してあります。

グリーンガス仕様にした事で、「初速の安定性が大幅に向上」、「銃口から生ガスを吹かない」、「季節に関係無く安定した性能」等、多くのメリットが生まれます。今回の様にレギュレーター内蔵式ですと、ホースレス状態なので使い勝手も良好です。実はこれら以外にも色々な実射性能向上のカスタムも行いました。内容が多すぎて(濃すぎて)全てはご紹介出来ないのですが「放出バルブのルート拡大」、「ボルトハンドル基部にプランジャーピン追加」、「チャンバー基部へのクッション材追加」、「インナーバレル長の変更」、「インナーバレルスペーサーの製作」、「ノズル延長」、「Vパッキン化」等です。内容が内容なだけに、どなたにでもお勧め出来る作業ではありませんが「究極のモシンナガン」が欲しい!というコアな方がいらっしゃいましたらお気軽にご相談下さい。

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