SR-25 URX 手直し作業
本日の作業はSR-25 URXです。この銃はオーナー様が某ショップさんにて完成品で購入したとの事ですが、「イマイチ初速が出ていないような気が・・」という事で計測してみたところ、初速がハンドガン並みの60m/s程しか出ていなく、ギアノイズも「ギャンギャン」鳴っていたので当店に入院となりました。
いつも通りにメカBOXを分解後、パーツ類を洗浄し各部をチェックしていくと何点か怪しい部分が見つかりました。まずはシリンダーですが、内面に指で触って判る程の段差があります・・。さすがにピストンヘッドのOリングではここまでは削れませんので恐らく最初からこの状態だった可能性が高いです。このまま使っていたらOリングが切れそうです。
それからピストンヘッドのOリングの寸法が小さいらしく、勢い良くピストンを前進させてもスカスカで全く圧縮しません。初速が出ない原因はかなりの確率でこのOリングと思われます。そこでピストンヘッドを交換しようとしたのですが、どうやらこのピストンヘッドはピストン側からナットで固定しているのですがそのナットが特殊な形状で専用工具が無いと外せない形状です。この部分をそんなに凝った構造にしなくても良いと思うんですが・・・。ということで残念ながらピストンも同時交換になってしまいました。
今回交換したパーツです、オーナー様より「怪しいパーツは交換して欲しい」との要望がありましたので上記以外にもメインスプリング(明らかにテンション弱く&自由長が短い)、スプリングガイド(スプリングの内径に対してガイドの外径が大きい)を交換しました。またギャンギャン鳴っていたギアノイズの原因は異常にぶっ太い配線でした。Ver2メカBOXに多いのですが、グリップ内に配線&モーターがある場合、配線が太すぎるとモーターを圧迫してしまいます。そうするとピニオンギアとベベルギアの噛み合わせ角度がズレてしまい、いくら調整してもギアノイズは消えません。更に無理な噛み合わせで強引に駆動させているので連射サイクル&レスポンス&燃費共に大幅にダウンします。ヒューズがすぐ切れてしまうという場合は大抵、この部分が原因です。簡単なチェック方法はグリップ底板のネジを外した時点で底板自体がモータースプリングのテンションで自然に浮いてこない場合は問題有りです。どんなに高性能ギア&高性能ベアリング&高性能バッテリー&高性能ナントカ・・・なパーツを使っていてもココがダメなら全て台無しになります。お客様からのご質問で「ハイレスポンスコードチューンKITの配線をもっと太く出来ないですか?」と聞かれる事がありますが、確かに電気的には太くすればする程、電気の流れは良くなり性能は上がります。しかし電動ガンの場合は組み込むスペースに制約がありますので太すぎると弊害が発生してきます。例えば、メカBOX内の配線を押さえる為の突起が被覆を突き破りショートする、逆転防止ラッチの動きを妨げてラッチが利かなくなる、グリップ内でモーターを圧迫してギアノイズが増える等です。配線の太さは色々な条件を考慮して最適な寸法に設定されていますので闇雲に太い配線はオススメ出来ません。。
シリンダー、メインスプリング、スプリングガイド、配線、ピストン、ピストンヘッドを交換して組み上げ後、初速を計ると、約93m/sでしたので一安心です。ギアノイズの方もクリアランス調整をすると別ものの様な静かさになりましたので作業終了となりました。
KEN